ラムネと雨と空の青
「うーみーはっ広いーなっ」
高瀬の海の防波堤を まるで猫の様に跳ねながらペコが歩く。
その横を ちゃんとした歩道を スマイルが一歩後からついていって
それから横に少し離れた 車道を アクマが気だるそうに歩く。
「あーあー。ガキがいるぜ。こんなとこによ。うるせんだよてめぇわ!」
「はいはーい。アクマにはチュッパのコーラ味あげるから勘弁して」
ポイっと投げられた棒付きキャンデー。
くるくると弧を描いてアクマの手の中に収まった。
「は?キモ!つうかお前ペコか?」
「・・・今日お祭りがあるから」
右手にキューブ 左手にチェリー味のキャンデーを持ったスマイルが代弁する。
少し左の飴を持て余したようにして。
さっきまで降っていた雨の匂いが鼻を掠めていく
「うっわ。ガキだな。祭り馬鹿」
昼下がりの空は海鳥を映えさせる
「ほんじゃー負けた奴がラムネ奢るのな!」
「は?ほんじゃーってなんだよ、ほんじゃーって!俺はやんねぇよバカ」
プリン味のキャンデーを頬張りながら 右手でラケットを遊ばせる
「じゃあ勝てばいいじゃんすか!ケロケロ!」
「・・・っけ!言ってろバーカ!あとでほえ面かくんじゃねぇぞ!」
ラムネと 雨と 空の 青は いつまで たっても 同じ 青
「うーみーはっ広いーなっ」
「その先、知らないの?」
「・・・うっせぃやい」
ペコと スマイルと アクマと 卓球は いつまで たっても 同じ なの?
「・・・雨、止んだね」
「あちぃぜクソッ!」
「ラムネ飲みてーな!」
残暑
end
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暑中見舞い申し上げ候。
2004年某日