秘めごと type-m



悟られてはならない。

あくまで、パートナーとして傍にいなければ。

あの約束は、その為のもの。

『生き残ったほうが、タリスマンを探す。』



本当は、目覚めさせるつもりはなかった。
目覚めさせたくなかった。
またじ同じ運命を辿ってしまう可能性があるから。
もうあんな目にあわせるのも
もうあんな目にあうのも
絶対にごめんだった。


でも


私の中のネプチューンは


確実にあなたを求めていた。


・ ・・違う


私が、あなたを求めていたの。


体が、心が


思いとは裏腹に、求めつづけていたの。


「みちるは、今誰かに恋していないの?」

恋していないの。
そんな可愛らしい感情じゃない。

私はちゃんと、笑えている?

「そう・・・。」

あなたって、本当に子供みたい。
いつだって格好つけて、強がって
そのくせ誰よりも純粋で、素直。

すぐ顔に出るのよね。

顔を下に向けて何を考えているのか、私は知っているのよ。
あなたのことなら誰よりも知っている自信があるの。

なんて言ったら、人は自惚れだって笑うかしら。


『あなたに恋していてよ。』

そう言って、欲しかった?
いいえ、あなたはきっと冗談だってとるわ。
私は本気でそういうこと言わない人間だと思っているでしょうから。

「・・・はるかは?」
「え、なに?」
「はるかは、今誰かに恋しているのかしら?」

一瞬戸惑ったような顔をして、困ったように口元をほころばせる。

「さぁ、ね・・・」

本当に素直なのね。
本当に、すぐ顔に出すんだから。

そんな優しいあなたに、お願いがあるの。

「彼女、今夜あたり狙われるかもな。」
「・・・そうね、注意しないと。」

どんなことがあっても

「みちる。」

その心、忘れないで

「なぁに?」

それはとても大切で、何よりも愛しいものだから。

「今度恋人かって聞かれたら、是非ともYESって答えて欲しいな。
 そうすれば、僕も君も恋しているってことになる。」

たとえ冗談でも、
そんな言葉たちはいつでも私を嬉しい気持ちにしてくれる。
でも

「答えはいつだってNOよ。」

やれやれ、といつものように大げさに肩を落としてみせる。
そう、気づかないで。
残酷なことかもしれない、でも、
失くしたくないの。

「だって、私とはるかの関係は恋人以上なのでしょう?」

まずい、という顔。

「聞・・いてたの・・・?」
「聞こえたの。」

恥ずかしい、という顔。

何よりも愛しい、そのしぐさ。


「さて、これからどうする?」
「水に浸かって一汗流したいの。付き合ってくださる?」
「仰せのままに、人魚姫。」

タンデムシートに乗り、腰に腕を回す。
いつもより少し、力を込めた。

風が、動き出す。

大丈夫、あなたは私が守ってあげる。
たとえ、どんなことが起ころうとも
私はあの約束を守らない。


2style.net